奄美大島に「石抱きガジュマル」という立派な木があります。ガジュマルの巨木から何本もの気根が生え大きな石に絡みついている様子はとても迫力があります。
海外でもガジュマルの気根が建物を飲み込んでしまっている例があり、写真などで紹介されているのでご覧になったことがあるかもしれません。ガジュマルの強い生命力を感じますよね。
そんな躍動感あふれるかっこいいガジュマルを、観葉植物のガジュマルで作ってみたい!と思いませんか。
ガジュマル盆栽の石抱き仕立てとは
気根がぷっくりとしたガジュマルを洋風の鉢で育てているかたは多いかもしれません。その特徴的な太い気根は安定感があり盆栽にもぴったりなのです。
中でも人気なのが「石抱き仕立て」。奄美大島の石抱きガジュマルをイメージして、石を抱えるように気根が伸びた盆栽です。石をがっしりと気根が覆っている様子は小さな盆栽でも力強さがあってかっこいいです。
では、どのようにしてガジュマルを石抱き仕立てにするのでしょうか。
ガジュマルを石抱きにする方法をご紹介!
盆栽を趣味にしている方々はそれぞれに自分で植物を仕立てて楽しんでいますよね。例えば石抱きガジュマルに仕立てる場合もいくつかの方法があるようです。
太い気根が石を抱えるように仕立てるものと、何本もの細い気根が石に絡まるように仕立てるものなどです。
太い気根に石を抱えさせる場合
人参ガジュマルと呼ばれる状態まで成長したガジュマルの根を洗い、細い気根は切るなどして整えてから石を抱えるように設置します。
倒れない程度に好みの高さや角度に調節して土に植えます。
まだ小さい実生苗から育てる場合
盆栽の作り方の1つに「根上り」というものがあります。まだ細くて小さな幼木を、まずは10cm程にカットしたホースや塩ビ管などに植え付けます。
その状態のままホースの3分の1くらい植木鉢に埋めて2年ほど育てます。ホースを切って苗を取り出し、土を洗い流すと根がほぼ真っ直ぐ伸びた根上り状態になっているというものです。
これをそのまま倒れない程度に根を露出させて鉢に植え、根を観賞する盆栽なのですが、これに似た方法でガジュマルの幼木を石の上に設置したまま埋めて育てることもあるようです。
何故土に埋めてしまうかというとガジュマルの気根は土の中で育つからです。太い気根がうまく石を抱えた状態で育ってきたら少しずつ根上り状態にするように土から出していきます。
まとめ
ガジュマルの気根は土の中で育ちます。
太くぷっくりとした気根で石抱きガジュマルを作りたい場合は実生苗、または人参ガジュマルから作って楽しむことが多いようです。
挿し木の場合は細い気根は出てきますが、太い気根になりにくいです。細い気根がもじゃもじゃと石に絡みつくように仕立てるには挿し木苗が向いているのではないでしょうか。
小さな盆栽でも、気根が石にしっかり絡むまでは時間がかかるようです。どんな風になるかな、かっこよくなるかなと、ガジュマルの成長を待つのも楽しい時間なのかもしれませんね。